岩手県大槌(おおつち)町の碇川(いかりがわ)豊町長(62)は2日、劇作家、井上ひさしさん(1934~2010年)の人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされ、東日本大震災で被災した蓬莱(ほうらい)島を町の文化財に指定し、購入する意向を正式に表明した。島を所有していた大槌町漁業協同組合が震災の影響で破綻、島が第三者の手に渡ることを懸念する声が住民から出ていたため。 碇川豊町長は記者会見で「島は震災復興の精神的なシンボル。町民皆さんの財産にしたい」と強調した。 漁協は破産手続き中。町は既に管財人に購入を打診し、交渉に応じる意向が示されたという。 町は文化財に指定するための審議会を近く開く。 蓬莱島は大槌湾沖に浮かぶ、ひょうたんに似た形をした小島。地元の漁師が大漁を願って島の神社に手を合わせるなど親しまれてきた。