『鯨塚からみえてくる 日本人の心２』 細川隆雄編 著 （農林統計出版・２５２０円） / 西日本新聞古来、日本人にとって鯨は一頭で「七浦を潤す」海の恵みであり、巨大な荒ぶる神でもあった。かつて捕鯨でにぎわった各地の港町には、鯨への感謝と鎮魂の思いを込めた「鯨塚」が存在する。 本書は、愛媛大学（松山市）の農学部教授とその教え子による「自称・愛大鯨組」が長崎、佐賀、山口各県の鯨塚が残る港町で実施したフィールドワークのリポート。一行が旅をしながら、各地の捕鯨文化と地域活動を伝えてくれる。 佐賀県唐津市呼子で中尾鯨組の歴史を学び、「鯨骨切り唄（うた）」を聞きながら、玄界灘に広がっていた捕鯨文化に思いをはせる。地域おこしグループ「呼子鯨組」の勉強会にも参加、郷土の遺産を生かした街づくりを考える。 長崎県新上五島町有川では「全国鯨フォーラム２００８」に臨み、会場で「鯨肉食体験の有無」「商業捕鯨の是非」などを問うアンケートを実施する。かつて日本一の捕鯨基地と言われた同県生月島では、資料から労働力の調
地域ニュース | 中国新聞デジタル
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