米フェルミ国立加速器研究所(イリノイ州)は24日、素粒子ニュートリノが「変身」する新しいパターンの兆候を観測したと発表した。3種類あるニュートリノの型のうち、「ミュー型」から「電子型」に変身したもので、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などが15日に初観測と発表した「変身」と同じ。高エネ研の成果の確認に弾みがつきそうだ。 同研究所は、約735キロ離れたミネソタ州の地下にある装置に向け、ミュー型と呼ばれるニュートリノを照射する実験をしている。実験では、変身とは別の反応から電子型ができるため、その数を49例と予測していた。だが、実際にはそれより多い62例が検出された。これはミュー型から電子型への変身があった結果とみられるという。 宇宙誕生時にはあったと考えられる反物質がほとんどなくなり、現在は物質だけが残ったとされる。ニュートリノの変身はこのなぞの解明に役立つとともに、宇宙誕生の