イランとサウジアラビアが外交関係の正常化で合意したことを受け、イランと敵対するイスラエルは中東外交の戦略見直しを迫られそうだ。ネタニヤフ政権は内政で混乱を抱えているほか、外交でも課題に直面することになる。 「(イスラエルにとって)完全な失敗だ」。最大野党党首のラピド前首相は10日夜、今回の合意をネタニヤフ氏の「ミス」だと主張し、強く非難した。 2016年にイランとサウジが断交し、アラブ諸国とイランの溝が深まる中、イスラエルは「対イランでの連帯」を掲げ、敵対していたアラブ諸国との関係構築を目指してきた。イスラエルは諜報(ちょうほう)情報などを各国に提供して懐柔。米国のトランプ前政権の仲介もあり、20年にはアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーンなどと国交を正常化することに成功した。