仏文学者で京都大名誉教授の桑原武夫さん(1904~88)の遺族が京都市に寄贈した蔵書約1万冊について、市教育委員会は無断で廃棄していたと27日発表した。市教委は生涯学習部の担当部長の女性(57)を減給6カ月の懲戒処分にした。 桑原さんは87年に文化勲章を受章。京大人文科学研究所を拠点に率いた新京都学派から、哲学者の鶴見俊輔さんや梅原猛さんらが育った。学術的価値が高い蔵書は生前に京大に寄贈され、残った全集や文庫本などの約1万冊が没後の88年、市に寄贈された。 市教委によると、寄贈当初、蔵書は桑原さんの書斎を再現した記念室で保管。2008年から目録を市右京中央図書館で公開し、蔵書は別の場所で段ボール箱数百個に入れて保管した。15年12月に整理した際、当時同館副館長だった担当部長の判断で廃棄したという。 担当部長は「図書館と蔵書が重複し、目録もあるため廃棄してよいと考えた。遺族に相談すべきだった
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