「昨日、自宅のある地区がタリバンの支配下に入りました。私のように欧米の機関に関わったことがある人間は、タリバンに捕まれば殺されるかもしれない」。7月下旬、アフガニスタン西部ヘラートで会った公共政策を学ぶ学生、ファルザナさん(20)が、声を絞り出すように話した。「外国に逃げるしかない」 ファルザナさんは、過去に約1年間、赤十字国際委員会(ICRC)のボランティアとして活動した。戦闘の被害者や貧しい人々を訪ね、彼らが求めていることを調査するなどしてきた。「長年紛争に苦しんでいる人々を少しでも助けたい」。政府の保健当局の職員になる目標もある。 ファルザナさんは街で友人と談笑しているとき、親からの電話で自宅の地区がタリバンの支配下に入ったことを知った。地元でファルザナさんがICRCのボランティアをしていたことは知られている。「タリバンは政府や国際機関への協力者を特定するために聞き回るだろう。戻れば