なぜ伊丹作品に限ってそれができたのでしょうか。その理由も池内社長は「映画会社がかりではなく、自分たちで製作資金を調達したからこそ、権利関係を明確にすることができた」と語っています。 つまり、作品をIPとして捉えていたのです。製作資金をリクープし、さらに次の作品を生み出すため資金源を確保するためです。今でこそ世界の映像コンテンツ市場で支持される考え方ですが、80年代から日本国内でその意識を持って実行していた伊丹作品のすごさを改めて思い知らされます。 社会の世相をエンタメにする視点 今後の展開は、日本映画専門チャンネルで「伊丹十三劇場4K」特集として1月21日からレギュラー放送が決定しているほか、日本国内での劇場公開も計画されています。過去の名作を楽しむ層は一般的に中年以上が想定されますが、先行して行われた海外映画祭の上映では若年層からも高い支持を得ている印象です。会場に多くの若者が詰めかけ、
![「伊丹十三作品」がネット配信されない深い事情](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2e9732ae84e46b61b7bc626b7cdd9935d33a9b50/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2F7%2F1200w%2Fimg_8747bdeabb73668e85e968e379448a71308128.jpg)