皆さまこんにちは、戎光祥出版の丸山です。 4月の新刊、『中世の寺社焼き討ちと神仏冒涜』につきまして、著者である稙田誠先生に本書の意義・特徴・読みどころを解説していただきました。 本書の書誌情報等については、リンク先をご覧ください。 それでは以下、稙田先生による自著解説をお楽しみください。 -------------------------------------------------------------------------------------- 中世は宗教の時代といわれています。この時代に生きた人々=中世人にとって、宗教性の具象ともいえる神仏は実体を持った存在であると信じられていました。神仏が神仏たるゆえんは、人智を超越した不可思議な力(以下、神威と呼ぶことにします)を発揮するところにあるといえます。神威は病気を治したり戦の勝利に導くなどの現生利益や、来世での救済(浄土往生)