ロボットコンテスト世界大会のレスキューロボット部門で2度も世界大会を制したロボット技術者、小栁栄次氏。高校教員をしながら34歳で大学院に進み、47歳で博士課程に、そして51歳で博士号を取得、大学教授に転身した異色のロボット研究者だ。 昨年夏に放映されたNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』をご記憶の方も多いかもしれない。ロボットコンテスト世界大会、レスキュー部門を2年連続で制したロボットは世界を驚かせた。キャタピラの付いた前後4本の腕が、さまざまな地形を走破していく。後ろの腕を使って立ち上がり、40センチもの段差も乗り越える。車高を上げ、深さ25センチの水たまりも進む。腕に付いた爪で、傾斜45度の坂も登っていく。 ロボットには遠隔操作のカメラやセンサーが搭載され、離れた場所にサーモグラフィの映像を映し出すことができるシステム。レーザー・センサーは、周辺の状況を把握し、データをコンピュータ