写真家のニコラス・スタインバーグさんは『フォガホリック』というシリーズで、地球上を覆う美しい霧の風景を撮影している。 それは真綿のようにやわらかく、白いベールのようにふんわりと地球を包み込んでいるようだ。 撮影場所は主にアメリカ、カリフォルニア州サンフランシスコ。サンフランシスコは霧の街とも言われている。 大西洋から流れ込んできた霧が、ツインピークスという山にぶつかる。ぶつかった霧は雪崩のように流れ落ちて、ふもとの市街地を覆い尽くすのだ。 1. ニコラスさんは8年間サンフランシスコで撮影をし、どんどん霧に夢中になっていった。最適なシチュエーションで撮影するために、コンピューターや衛星、その他の予報をチェックし、いつでも撮影に行けるように用意していた。 様々なシャッタースピードで実験し、霧の流れを強調できるか研究した。その工程はすべてカメラによるもので、フォトショップでの加工は行っていない。