小松緑は明治大正期の外交官で、アメリカ公使館書記官,朝鮮総督府外務部長など勤め、大正五年(1916年)に退官後は著述家として活躍した。 小松緑(Wikipediaより) 十冊程度の著書を残しているようだが、電子図書で『明治外交秘話』というタイトルの本が出ている。この本の原書は、彼のペンネームである「桜雲閣主人」を用いて、昭和二年に中外商業新報社より刊行された『外交秘話 : 明治史実』で、この本が昭和四十一年に原書房より『明治外交秘話』とタイトルを変えて復刊され、平成二十九年に電子図書化されたものである。 小松は新聞の論説を多数書いており、「神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫」で検索すると六十八本の論説がヒットする。そのほとんどが中外商業新報(現在の日本経済新聞)に掲載されたものだが、今回は昭和三年九月二十四日から六回に分けて掲載された、「赤化運動の経緯」という文章を紹介することとしたい。