牛乳とヨーグルトを主食とするマサイ族 東アフリカ、ケニアからタンザニアにかけて住むマサイ族は、主たる食事として牛乳、ヨーグルト、牛の生き血を取る伝統的食生活を送ってきたことが知られています。これらの食事では、ビタミンC摂取が非常に少なくなりますが、彼らの健康度は高かったとされています。 この連載では以前、北極圏で暮らすイヌイットの食生活から糖質制限食の機能を考えましたが、今回はサバンナの民、マサイ族の独特な食生活から「ヒトにとって必要な栄養素」について考えてみます。 マサイ族の主食は現在でも牛乳とヨーグルトです。牛乳、ヨーグルト合わせて1日に2〜3Lも摂取します。毎日、牛の放牧をしながら何kmも歩き、その間、牛乳を入れた「キブユ」というひょうたんを腰にぶら下げ続けているので、数日間で牛乳は自然発酵し、ヨーグルトになります。長時間歩いていますから、主に摂取するのは新鮮な牛乳より、搾乳してから
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