ホーム >> 話題一覧 >> 1. 古代文明と環境問題 ―環境問題で滅びた古代文明の物語るもの | 今日の環境問題の本質、そして地球温暖化問題 古代文明の盛衰も環境問題と関わるものがある。 シュメール、インダス、イースター文明の3つを取り上げ、その盛衰と環境問題の関わりを見てみよう。 (1)メソポタミアのシュメール文明 シュメール文明は、世界最古の文明の一つである。メソポタミア南部のチグリス・ユーフラテス河流域に、紀元前4300-3500年頃には治水灌漑農業が成立した。紀元前2800-2700年頃に気候の乾燥化が起こり、灌漑のための大規模な土木工事が必要となって、組織化された社会が生まれる。そして、紀元前2700年頃には、メソポタミア南部のウルに大規模な都市が成立した。 気候の乾燥化する中で灌漑農業が続けられ、灌漑用水に含まれる塩類が次第に土壌に蓄積し、作物は塩類に弱い小麦から大麦に変わっ