「学習する組織」ならば聞いたことがある。だが「学習する社会」は聞いたことがない。「学習する社会」について少し考えてみよう。日本語にすると馴染みがないが、「ラーニング・ソサエティ Learning Society」といえば理解できるだろうか。いわゆる「学習社会論」である。ラーニング・ソサエティの歴史は、意外と古い。ロバート・M・ハッチンスが『ザ・ラーニング・ソサエティ』という書籍を執筆している。 ハッチンスを敷きながら考えてみると、生涯学習を思い描いてもらえればわかりやすい(というよりも、生涯学習を内包している)。すなわち、人間は生涯を通じて学習を継続しなければならないという考え方である。自身の選択により自己研鑽を自由に行い、またその学習成果について自身で責任を担う社会ということになろう。 以上の点を踏まえて、私なりにラーニング・ソサエティを定義したい。現代社会はハッチンスが考えたものより深
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