働き方への意識の変化もあり、転職する人が徐々に増えています。しかし、いざ転職先が決まっても、元の会社の退職日の取り扱いで思わぬ不利益を被ることがあります。特定社会保険労務士の井寄奈美さんが退職日と年金の関係について解説します。【毎日新聞経済プレミア】 ◇退職日を月末の1日前にされた結果…… 30代後半のA男さんは、従業員数50人ほどの金属加工会社で働いていました。しかし、5年前の入社時からほとんど給料が変わらないことが不満で、転職することを決めたのですが、退職日の取り扱いで思わぬ不利益を被ることになりました。 ある日、A男さんに前の職場の元上司から連絡があり、「うちの会社に来ないか」と誘われました。元上司も転職し、業界内で業績がよいといわれる会社で働いていました。今の会社より高い給料を提示されたこと、元上司とまた一緒に働きたい気持ちが高まったことで、A男さんは転職を決意しました。