Pandocのいいところは、構造をさまざまな記法から暗黙に読み取ってくれる点です。 ただし、その構造はPandocの内部で定義された抽象データ型であり、利用者の目的に合わせて増改築することはできません。 XMLやLaTeXでやるフルフルの構造化文書に比べると良い意味でも悪い意味でも制限があるので、昨日の記事ではPandocによる構造化文書の扱いを「ライトウェイト」と呼びました。 今日は、この「抽象データ型によるライトウェイト構造化文書」について、Pandocの抽象データ型を例にもうちょっと具体的に説明します。 Pandocの抽象データ型 なにはともあれ、Pandocの抽象データ型がどんなかを見てみましょう。 Pandocにおける文書とは、「ブロック要素」と「インライン要素」からなるデータです。 この概念の具体的な姿は、Haskellの代数的データ型という仕組みを使って、pandoc-typ