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裁判官たちに取材して一番驚かされたのが、誤判が結構あると彼らが率直に認めることだった。世間ずれしていないせいか、裁判官たちは、話すことと考えていることがまったく違う「腹黒役人」や「二癖あるサラリーマン」のような人はあまりおらず、誤判についてもわりと素直に認める。相当出世した著名裁判官が「若いころ刑事事件で無罪判決を出したけれど、今考えると、あれは誤判だったと思います。無罪を有罪にして冤罪をつくったわけじゃないので、それだけは救いですが」と回想していた。別の裁判官は、「どうにも判断がつかない刑事事件があって、これはもう被告人が最後の陳述で何をどういう表情で話すかを見て決めるしかないと思って、『最後に何か言うことはありますか?』と訊いたら『何もありません』と言って終わってしまったので参った」と話していた。 刑事裁判はある意味で「やったか、やってないか」と量刑だけともいえるが、様々な事情が絡み合
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