小野耕世のPLAYTIME ⑩ 「なぜバファローの大群が?」映画『捜索者』(1956)から40年以上経って、久々に作られた西部劇に、ケヴィン・コスナーが監督した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990)がある。 その年のアカデミー賞作品賞・監督賞など7部門の賞を得たこの映画では、主人公の白人の合衆国騎兵隊の男は、インディアンの友となり、<オオカミと踊る男>という部族名をもらうので、それが映画のタイトルになっている。 この映画のなかで、バファローの大群が映っていたのをご記憶だろうか。その場面に感動し、滅びたと言われるバファローも「探せばまだあんなにいるじゃないか」と述べた日本の映画評論家がいたほどだ。 だが、その映画評論家は知らなかったのだ。映画のなかの野牛の大群は、実は現在でいうCG合成だったということを。まだCG技術は難しい1990年当時、初期段階だったから、映画の関係者は、バファローの