電子工作を始めた人なら、たいてい最初にこの店のサイトを開く。秋葉原のパーツ街に半世紀以上店を構える秋月電子通商は、日本中の「作る人」が当たり前のように頼ってきた店だ。 ただ、その正体は少し変わっている。扱う部品はすべて自分たちの目で選び、現金で仕入れる。マイコンボードもセンサーも、変換基板やモジュールは自社の工場で作る。なぜそうなったのかをたどると、一人の創業者の性格に行き着く。秋月電子通商は、いってみれば辻本昭夫という型破りな創業者の哲学で動いてきた会社だ。 創業者である辻本会長(以下、会長)の右腕として、20年近く現場を支えてきた営業部長の袴田氏に話を聞いた。 「電子部品の八百屋」を称する、目利きのプロ集団 2015年頃の秋葉原店内(上、写真提供:秋月電子通商)と、2026年の同店内(下、閉店後に撮影)。 まず、いまの秋月の姿を押さえておきたい。年商はおよそ30億円。従業員は約160名

