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本に関するownernismのブックマーク (21)

  • ヤツらにまつわる事実と仮説~『真実のビートルズ・サウンド』川瀬 泰雄著・蔭山 敬吾編、『ビートルズの謎』中山 康樹著(評:栗原 裕一郎):日経ビジネスオンライン

    「『ビートルズ名曲冒頭の音の謎』を数学者が解明」という記事が昨年11月「WIRED VISION」に出た。 ダルハウジー大学(カナダ)の数学者ジェイソン・ブラウン博士が、ビートルズ「A Hard Day's Night」のイントロで鳴る、長年謎とされてきたあの印象的な不協和音を、フーリエ変換と画期的な波形編集ソフト「ダイレクト・ノート・アクセス」を駆使して解析したという内容である。 ところが博士の解析に、翻訳者でライターの高森郁哉氏が同日(!)同じ「WIRED VISION」に「ナイストライだが、たぶん不正解」という反論を出したのだった。 たかがコードひとつが世界的な話題になるなんてビートルズなればこそだが、ふたつの記事が出たのと前後して、新書のほうでも、ビートルズの謎をひもとくが2冊出版された。 川瀬泰雄『真実のビートルズ・サウンド』(学研新書)と中山康樹『ビートルズの謎』(講談社現代

    ヤツらにまつわる事実と仮説~『真実のビートルズ・サウンド』川瀬 泰雄著・蔭山 敬吾編、『ビートルズの謎』中山 康樹著(評:栗原 裕一郎):日経ビジネスオンライン
  • 村上春樹の最新長編小説『1Q84』、5月29日発売!|新潮社

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  • 「常識」は、単なる思いこみってこともある~『百鬼夜行絵巻の謎』 小松 和彦著(評:栗原 裕一郎)【奨】:日経ビジネスオンライン

    ある発見によって、それまでの定説が一挙にひっくり返るということがときおり起こる。この『百鬼夜行絵巻の謎』は、そんな瞬間をほぼリアルタイムに伝えた(かもしれない)一冊である。 内容もだが、こんな専門性と趣味性の高い発見が、新書という媒体にまず載せられたということに驚かされる。新書爛熟期を象徴する書物といっていいかもしれない。 専門性は高いものの、よく練られた構成にすっきりとわかりやすい文章、さらにカラー図版をバンバン使った懇切丁寧なつくりのおかげで、予備知識がなくてもすんなり楽しむことができるだろう(固有名詞はメモらないと混乱すると思うが)。 さて「百鬼夜行絵巻」とは、室町時代に大流行した、妖怪たちがぞろぞろ練り歩いている様子を描いた長い絵巻のことである。 いくつか有名なものがあるが、なかでも重要文化財に指定されている、大徳寺真珠庵収蔵の伝土佐光信画「百鬼夜行絵巻」(真珠庵)が、美術的価値

    「常識」は、単なる思いこみってこともある~『百鬼夜行絵巻の謎』 小松 和彦著(評:栗原 裕一郎)【奨】:日経ビジネスオンライン
  • 「偶然と幸運」で彩られたオバマ物語~『オバマのアメリカ』 渡辺将人著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン

    1月20日の大統領就任演説以降、当サイトにもオバマ関連の記事がたくさん上がっていてフィーバー状態だが、ほんの4、5年前まで、バラク・オバマは、アメリカ国でもほとんど無名にちかい存在だったというのを思い出すとなかなか愕然とする。いや、だからこそのフィーバーという面もあるのだろうけど。 さて、今回取り上げる書は、昨年11月にブームに先駆けるように発売された一冊だが、オバマ現象の分析として、これに勝る新書はまだ出ていないと思う。 著者の渡辺将人は、オバマを大統領候補に担ぎ上げたジャニス・シャコウスキー下院議員のスタッフを務めたり、アル・ゴアの大統領選では集票を担当したこともある人物。オバマが講師をしていたころのシカゴ大学に学び、オバマの大統領選にも参与していた。そういった、アメリカ政治を肌で知る立場から、オバマ現象の“意味”と“メカニズム”を分析したのが書だ。 大きく2部に分けられる。前

    「偶然と幸運」で彩られたオバマ物語~『オバマのアメリカ』 渡辺将人著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン
  • 世界不況で物価は上がるのか?~『物価迷走』 原田泰・神田慶司著(評:田中秀臣):日経ビジネスオンライン

    経済学の基を適切に踏まえたうえで時事的な問題にユニークな視点を提供し続けることにかけて、日では原田泰の一連の仕事がまずは注目されるべきだろう。 もちろんユニークな経済は多い。屋の店頭にもその手のが目白押しだ。しかし、例えば経済危機のなら、経済の危機的状況を説明するよりも書いている人たちの危機的な経済理解を明らかにしているものが大半だ。経済学のまっとうな理解とユニークな問題提起の組合せはいまの日では希少価値である。 さて書は原田が大和総研エコノミストの神田慶司氏とタッグを組んだ最新作である。テーマは「物価」。特に原油などの資源価格と物価との関係、インフレーション(物価の上昇)のメカニズム、先進国やジンバブエなどの世界のインフレーションの展望、そして古代から現代までの歴史の中におけるインフレーションを扱っている。 その基的な視点は、物価を考える上ではマネー(貨幣)が決定的に重

    世界不況で物価は上がるのか?~『物価迷走』 原田泰・神田慶司著(評:田中秀臣):日経ビジネスオンライン
  • 今日の一冊 「地図のない道」須賀敦子 - finalventの日記

    福岡伸一さんの私の1冊「地図のない道」須賀敦子 | NHK 私の1冊 日の100冊 地図のない道 (新潮文庫): 須賀 敦子: Amazon.co.jp たぶん、須賀敦子と福岡伸一を出すための企画だったのではないか。 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891): 福岡 伸一 このはざっと読んだが、トンデモ?とも思った。そういえば、「もう牛をべても安心か (文春新書): 福岡 伸一: Amazon.co.jp: 」もそう思った。ただ、これこれだからトンデモですなというにはめんどくさいなとも思った。「生物と無生物」の帯の推薦者が面白いので画像を大きめにしておこう。最初からそういう趣向だったのかな。 こういうとまたぞろ悪口みたいだが、須賀敦子も福岡伸一も編集者好みの著述家だ。ついでにいうと、模擬先生も内樹先生もそうだ。こちらはなにより他作で安定して捌けるのがうれしい。 福岡伸一

  • 結論:俺はタバコ吸っていいんですね?~『禁煙バトルロワイヤル』 太田光・奥仲哲弥著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン

    喫煙嫌煙をめぐる議論は──議論と呼べるものがあったかはともかくとして──喫煙サイドの敗北ということにほぼ決まったといっていいだろう。 社団法人日たばこ協会(TIOJ)などが主導し設置されたタスポは「未成年喫煙予防」というタテマエの裏に何か思惑が動いていそうなのでおくとしても、「タバコは1箱1,000円に値上げしろ」という案がどんぶり勘定のまま増税項目案として国会にはかられそうな勢いひとつを見ても、タバコ排斥がすっかり社会の合意であり善になってしまったことを裏づけているといえよう。 評者は喫煙者で『禁煙ファシズムと戦う』(ベスト新書、2005年)という共著も持っている。われらが共著以降も、嫌煙の趨勢に疑義を唱え、喫煙の自由と権利を擁護しようとするがいくつか出版されているが、はっきりいってどれもパッとしない。 たとえば、当コラムのコメント欄が炎上した武田良夫『「タバコは百害あって一利なし」

    結論:俺はタバコ吸っていいんですね?~『禁煙バトルロワイヤル』 太田光・奥仲哲弥著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン
  • 今日の1冊 「金閣寺」三島由紀夫 - finalventの日記

    木村政雄さんの私の1冊「金閣寺」三島由紀夫 | NHK 私の1冊 日の100冊 木村政雄については名前くらいしかしらない。 ⇒木村政雄 - Wikipedia 今回は、ようするに、100冊のうち1冊は三島を出さなくてならないだろうということで、どう直球的にクセ弾を出すかという揚げ句の出来だったのでないだろうか。辛うじて合格ラインというか、三島の問題を際どく逃げたという印象だった。 木村政雄が三島を読めているかについては言うに野暮に思えるし、実際語るところを聞けば、あの時代の、つまり団塊世代の述懐という以上はない。 三島由紀夫については、私はまだ大きな課題を果たしていない部分があるが、ざっくりいうと、昭和という時代の特殊な心の傷ではあってもそれほどたいした文学者ではないなと思うようになった。こういうと、変な弾が飛んでくるかもしれないが、文章がうまくない。一種の美文というか、表面的にはきれい

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  • ようするに、とにかく~『文章は接続詞で決まる』 石黒圭著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン

    文章を推敲するさい、手を加えられるのはどういうところか。人によってさまざまだろうが、評者の場合、真っ先にチェックするのは「逆接」である。 もうともかくちょっとでもうかうかしていると、「~が…」「~だが…」「しかし…」「~けれども…」といった言い回しでだらだらと文を連ねてしまうのだ。酷いときには一文に「~が」が三つくらい並んでいて、反対の反対の反対だから賛成の反対なのか? と自分で首を傾げるバカボンのパパ状態の文章がこねくり出されていたりする。 「がーがー、おまえはアヒルか」とブツブツいいながらチェックしていき、余分であれば削る、削れないときはべつの逆接表現に置き換える、という作業からまず取りかかることになるわけだが、推敲というとほとんどそればかりやっているような気さえする。 いまや古典の『論文の書き方』(岩波新書)で清水幾太郎も注意を促していたように、他人の書いたものを読んでも、無防備に逆

    ようするに、とにかく~『文章は接続詞で決まる』 石黒圭著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン
  • 再生医療の最前線へようこそ~『iPS細胞』 八代嘉美著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン

    南部陽一郎、小林誠、益川敏英三氏の物理学賞に下村脩氏の化学賞が続きノーベル賞フィーバーが巻き起こっているさなかの10月10日、京都大学の山中伸弥教授が、ウイルスを使わないiPS細胞製作に世界ではじめて成功したというニュースが流れた。 再生医療の実現に向けた大きな一歩と報じられたのだけれど、ウイルスを使わないことがどうして「大きな一歩」になるのか、即座に理解できるでしょうか。 iPS細胞は現在進行中の科学的イノベーションとしてはもっともホットなもののひとつだが、なにしろ生命科学の最先端であり、「クローンが出来ちゃうんでしょ、すごーい。それでES細胞と何が違うんですか?」といったアバウトな理解にとどまっている人が多いんじゃないだろうか。いや、自分がそうだったのだが。 そこで書である。一読すれば、技術的な仕組みとそれを支える生命科学のバックボーン、生命倫理問題および先端科学技術をめぐる特許争い

    再生医療の最前線へようこそ~『iPS細胞』 八代嘉美著(評:栗原裕一郎):日経ビジネスオンライン
  • テクノ歌謡30年史を網羅した本命コンピ&ガイド本

    のテクノポップ生誕30周年を記念したコンピレーションアルバム「『テクノ歌謡』アルティメット・コレクション」が、11月26日より連続でリリースされることが決定した。 YMOの結成から今年で30年。「テクノ歌謡」研究チームでは多くの名作&迷作を生み出した細野晴臣、坂龍一、高橋幸宏の偉業をたたえ、2008年を「テクノ歌謡30周年」としている(写真は「『テクノ歌謡』アルティメット・コレクション 1」ジャケット)。 大きなサイズで見る 第1弾は2005年に発表され一部マニアの間で大きな話題を集めた「イエローマジック歌謡曲」「テクノマジック歌謡曲」の2枚から主要曲を網羅した内容。こちらはソニー&アルファレコードが所有する秘蔵音源を集めたものとなるが、続く第2弾にはビクター音源を中心にヒット曲を満載、第3弾もお宝楽曲が多数収録される予定となっている。お茶の間レベルのヒット曲から、意外なアーティスト

    テクノ歌謡30年史を網羅した本命コンピ&ガイド本
  • [書評]おまえが若者を語るな!(後藤和智): 極東ブログ

    ちょっと前のことになるが「おまえが若者を語るな!(後藤和智)」(参照)がネットで少し話題になっていたので読んでみた。よくわからないだった。賛否以前に、この書籍で何が問題なのかという部分でまったく共感できなかった。というか率直に言うとつまらなかった。ただ、このつまらさは著者の論のつまらなさというより、批判対象とされる部分のつまらなさということだ。巻末に参考書がずらっとリストされているのだが、いくつかの社会学的な分析を除けば、よくここまでつまんないをきちんと読んで論が書けるものだなという敬服感すらあった。 なんなんだろうこの感じはと思って、あとがきに達して少し得心した。 多くの読者は、なぜ今更宮台真司などという、ほととんど忘れ去られた論者を批判するのか、と思われるかもしれない。 まさにその通りで、宮台真司の90年代の議論というのは忘却していいだけのものなのではないか。と、思いながらふと思い

  • 大恐慌の淵に立つ今、考える~『景気ってなんだろう』岩田規久男著(評:田中秀臣):日経ビジネスオンライン

    自分の人生でまさか遭遇することはないと思っていた経済的事件──世界大恐慌。まさにその瀬戸際でこの書評を書いている。 アメリカのサブプライムローン問題を契機にして始まった世界的な金融危機は、9月のリーマン・ブラザーズの破綻、AIGの公的救済によって大規模な信用不安を世界中に引き起こしてしまった。アメリカ財務省、FRBはもちろんのこと、G7に属する各国の政策担当者は必死に市場のメルトダウンを防御している。 この状況がどう推移するのか、いまの段階では不透明だ。さらに銀行、証券会社などの金融システムをどうにか安定させることができてもさらなる試練が待っている。この世界バブル崩壊ともいわれる事態がまもなく引き起こすであろう世界的な不況である。そのとき日はどうなるのだろうか? そもそも日は「失われた10年」という長期停滞にあり、ようやくここ数年「景気回復」を経験していた。しかし最近のエコノミストたち

    大恐慌の淵に立つ今、考える~『景気ってなんだろう』岩田規久男著(評:田中秀臣):日経ビジネスオンライン
  • 著者24歳、渾身の一冊~『おまえが若者を語るな!』 後藤和智著(評:栗原裕一郎):NBonline(日経ビジネス オンライン)

    いきなり「おまえ」呼ばわりである。「おまえ」と指を突きつけられ批判されているのは、俗流「若者論」を振りまく知識人文化人たちだ。 若者を理解不能なエイリアンというネガティブ・イメージで染めあげ、攻撃排除することをもっぱら眼目とする俗流若者論が、ある時期(90年代後半)からマスメディアでバッコしはじめ、教育や政策の現場などにまで浸潤するにいたっていると後藤は指摘する。 俗流若者論(実態は「反若者論」)とは、たとえば「ニート」や「下流」などに代表される、実証的な根拠を持たず思いつきの域を出ない「枠(レジーム)」で「若者」を型にはめ、その手前勝手な「レジーム」に沿って若者を批判するというマッチポンプじみた言説のことだが、「俗流」という語からくる予断を裏切って、害悪を垂れ流したと糾弾されるのはむしろ学者のほうが多い。 元凶としてまず念入りに検証されるのは、社会学者の宮台真司と、精神科医の香山リカだ。

    著者24歳、渾身の一冊~『おまえが若者を語るな!』 後藤和智著(評:栗原裕一郎):NBonline(日経ビジネス オンライン)
  • どこまでいってもかみあわない、エアー対談〜『リアルのゆくえ』 大塚英志+東浩紀著(評:栗原裕一郎):NBonline(日経ビジネス オンライン)

    読者を選ぶ対談集である。副題にある「おたく/オタク」という表記、これはある意味で試金石になっていて、この書き分けにピンとこない人は書の想定読者からはたぶん外れるだろう。 「おたく」は大塚英志がこだわっている表記で、彼の論では「おたく」と「オタク」は厳密に使い分けられる。それがどんな議論かには踏み込まないが、ようするに「おたく」は大塚を、「オタク」は東浩紀を表象しており、この副題は「大塚英志/東浩紀」と読み替えることが可能だ。 その程度の解読を(当人が意識するか否かに依らず)やってのける素地を持った読者、つまり、大塚英志や東浩紀、および彼ら界隈の人たち(対談中に頻繁に名前のあがる宮台真司やその影響下にある若手など)が織りなすサークルに「萌える」人々が書の想定ターゲットということになるだろう。 まあ、狭い。とはいえ、書は発売後すぐに1万部の増刷が決まったそうで、それくらいの市場は抱えてい

    どこまでいってもかみあわない、エアー対談〜『リアルのゆくえ』 大塚英志+東浩紀著(評:栗原裕一郎):NBonline(日経ビジネス オンライン)
  • [書評]これでいいのだ(赤塚不二夫): 極東ブログ

    ウィキペディアの赤塚不二夫の項目(参照)は比較的充実しているが、ネットのリソースが多く、漫画以外の赤塚不二夫の単著についての記載はない。来歴の記載もネット上のリソースに偏っていて、誰が執筆したものかはよくわからないが、ヴィレッジセンターの情報(参照)と公認サイト(参照)が参照されている。 参考文献としては、1997年の「ギャグにとり憑かれた男 赤塚不二夫とのマンガ格闘記(長谷邦夫)」(参照)と2005年の「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!(武居俊樹)」(参照)の二点が挙げられている。 赤塚不二夫には平成五年(1993年)にNHK出版から出された書、つまり人による単著の自伝的エッセイ「これでいいのだ」(参照)がある。2002年に日図書センターから刊行された「赤塚不二夫 これでいいのだ (人間の記録)」(参照)は書の改題である。 軍人気質で潔癖、一徹なおやじ、なんでもできてガンバリ屋、

  • 史上最低の芥川賞受賞作 - jun-jun1965の日記

    最近でいえば、中村文則と双璧をなす。漢語表現をそのまま使っているほか、変な日語が散見される。中味にしても、何ら小説である必然性がなく、これなら、ドキュメンタリーかノンフィションを読んだほうがいいだろう。白英露とかいう女の描写も中途半端だし、「梅」とかいうに至っては、何も描かれていない。まるで明治40年以前の青春小説の出来損ないで、青年二人が主人公なのに、尾崎豊がどうのこうの言っているだけで、「性」については何も書いていないというのが、いかにもシナ人らしい。同人雑誌に載って埋もれていくべきレベルの「小説」である。 石原慎太郎は欠席したそうだが、選評は文章で書いてくれるのではないかな。もっとも、石原が出席しても、受賞作に変りはなかっただろう。 豊崎由美は今回の受賞作に激怒しているが、小川や川上に気で期待していたのか? 豊崎と大森望の「メッタ斬り!」が始まって以来、芥川賞の選考は文学オタク

    史上最低の芥川賞受賞作 - jun-jun1965の日記
  • ソローによるジェイコブス『経済の本質』書評

    真実の経済:ジェイコブス『経済の質/自然から学ぶ』書評 ("Economies of Truth", The New Republic, 2000-05) Issue date: 05.15.00 Post date: 05.08.00 (2008/06/16) ロバート・M・ソロー  山形浩生訳 要約:成長理論の重鎮ボブ・ソローによるジェイコブス『経済の質』の容赦ない批判。同書はあまりに経済学について無知。中小企業の多様性が重要、という主張は必ずしもまちがってはいないが、それについてまともに分析ができていない。表面的な類似にこだわった小話で事足れりとして、それ以上の深い話をきちんと考えようとしない。このため、読んでもまったく勉強になりません、とのこと。 ジェイン・ジェイコブスので他に読んだことがあるのは『都市の経済』(邦題:「都市の原理」)だけだ。悪くなかった。彼女は人間スケールの

  • imprinted-agers’ blog » ロバート・アルトマン わが映画、わが人生

    ロバート・アルトマンわが映画、わが人生 ハリウッドの反逆児、ヨーロッパで評価の高いアメリカ人監督、テレビドラマ出身、演劇的…などなど、アルトマンに関するイメージはこれまで多く伝えられてきた。 それらは当のことであり、外れていないのだが、書を読み進めていくうちに、なぜかいままで似ているとはまったく思わなかった監督の名前が浮かんできた。 それは、ハワード・ホークスだ。ハリウッドの神話的な監督と、脱ハリウッドの監督に果たして交わる点があるのか? アルトマンの作り上げる映画の魅力が、多彩な登場人物たちが紡ぎだす演技のアンサンブル にあることはよく知られている。しかし、それはすでにホークスが行なっていたことであった。 アルトマン自身が言及するとおり、ホークスの映画の特長として、ひとりの人物が話し終わる語尾に、次の人物が言葉を重ねるやり方がある。それにより、人物が形式的なセリフ劇から解放されていく