わずか20年間で生産金額が1000倍を超えたフラットパネル・ディスプレイ(FPD)産業。1980年代後半には1000億円程度に過ぎなかった生産金額が,今や10兆円を超える規模になった。驚くべき成長を見せたFPD。現在われわれはこのFPDを日常生活のあらゆる場面で当たり前のように使っているが,20年前はモノクロの液晶が時計や電卓,電子辞書やワープロなどに使われている程度だった。カラーのFPDにいたっては,3〜5型前後のTFT液晶パネルが携帯型テレビにわずかに応用されているに過ぎなかった。 それが,1980年代の終わりから2000年代の初めにかけて,10型,15型,20型,30型,40型と瞬く間にTFTカラー液晶パネルの大型化が進み,応用製品もノート・パソコン(PC),液晶モニター,大画面テレビへと急速に拡大する。現在では,1億4000万枚前後のノートPC向けパネル,2億枚近いモニター向けパネ