(2012年9月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) スペインのマリアノ・ラホイ首相と同国政府はまるでパヴァーヌを踊る廷臣のように、音楽が許す限りゆっくりと、国際社会による金融支援に向かっている。この踊りには、悲しみに沈んだ必然性のような雰囲気が漂っている。 国内における政治的な計算と、経済および銀行システムを安定化させる緊急の必要性とを天秤にかけているラホイ首相は、ギリシャやアイルランド、ポルトガルの後に続く形で、外国の債権者の鉄の鎖に縛られるのは気が進まないように見える。 マドリードの銀行関係者も多くのスペイン国民も、ラホイ首相が長く運命に逆らえるとは思っていない。 ラホイ首相が早期の支援要請を渋る理由 国家の威信だけにとどまらない様々な要因が、早急かつ公式な支援要請を嫌がるラホイ首相の態度を説明する。まず、2週間前に欧州中央銀行(ECB)が短期国債を無制限に買い取ることを提案し、