(2012年5月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今から2年近く前、ちょうどユーロ圏の債務危機が激化していた頃、欧州の政府高官の一団が地域の優れた識者たちと秘密裏に会合を開き、統合強化を通じて危機を解決する方法について話し合った。その解決策は、通貨同盟に付随する財政同盟に向かって動くことだった。 ハンガリー系米国人の投資家で慈善家のジョージ・ソロス氏は、話に耳を傾け、警告とともに議論を締めくくった。計画は理にかなっているが、指導者は迅速に行動しなければならない。経済統合を巡る政治は難しくなる一方で、簡単にはならないからだ――。「この先の政治状況は、今より好ましくなくなるだろう」とソロス氏は話していた。 ジョージ・ソロスの予言が現実に ソロス氏が警告していた反発が、今、現実になっているのかもしれない。 フランス、ギリシャ、アイルランド、オランダでは、この先、欧州の常識を大きく揺るがす選