国際決済銀行(BIS)の2011-12年版の年次報告書が去る6月24日に公表されている。国際決済銀行は、今般の金融危機に先立って2003-05年頃に、その年次報告書で金融的不均衡の累積が生じている旨の警告を発していたという(敬意を払うべき)実績を持っている。それゆえ、「その年次報告書は常に読むに値する」とジョン・テイラーはそのブログ記事の中で述べている。しかも、「そのことは今回の年次報告書についてとりわけ当てはまる」とも言っている。というのは、「金融政策の限界(The limits of monetary policy)」と題した一章をもうけて、現下のきわめて緩和的な金融政策のもたらしかねない弊害について考察しているからである。 報告書によれば、「金融緩和政策は、それ自体では、根本にある健全性の問題やより基礎的な構造的諸問題を解決できるものではない。それは、時間を買うことはできる。しかし実