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2012年8月31日のブックマーク (7件)

  • オーストラリアの二重経済:中国依存の光と影

    (英エコノミスト誌 2012年8月25日号) 成功の歪みが見え始めてきた。 シドニー近郊の近代オーストラリアの発祥地、ボタニー湾の沿岸では、同国の2速経済を垣間見ることができる。 湾の上空に飛び立つ飛行機は、いわゆる「フライイン・フライアウト*1」労働者を、西オーストラリアやクイーンズランドなど、好況に沸く資源豊富な州に運んでいく。これらの州では、オーストラリアの全国平均の4倍の賃金を得ることができる。 一方、ボタニー湾の南に位置するカーネルで働く労働者にとっては、前途はあまり明るくない。石油会社のカルテックスは最近、60年近くガソリンを生産してきた製油所を閉鎖すると発表した。これで600人以上の職が失われることになる。 主に資源ブームのおかげでオーストラリアドルの価値が高騰した結果、自社で生産するよりも、アジアの製油所からガソリンを輸入してカーネルで貯蔵する方が安くなったのだ。 対中貿易

  • 海外投資を加速させる日本株式会社

    (2012年8月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 昨年10月、カーステレオやビデオカメラを生産するJVCケンウッドのタイ工場が洪水で水浸しになった時、同社はタイ工場の排水・消毒作業を行う間、生産を横須賀に戻した。 「生産を移転するしか選択肢はなかった」。グローバルな生産・調達業務を統括する落合信夫氏はこう言い、同社は技術スタッフの「中核」を日にとどめていたと指摘する。 国内への生産移転はあくまで緊急措置 だが、今年5月になると、タイ工場は既に活動を再開しており、通常の顧客サービスが復旧していた。創業85年の歴史を持ち、世界初の家庭用ビデオレコーダーを作ったことで最もよく知られる同社にとっては、自国での生産は「緊急措置」だったという。 売上高ベースで見た海外生産比率が約90%に上るJVCケンウッドは、極端なケースだ。だが、これは同社に限った話ではない。企業経営者が諸外国の低コストと

  • アップルの一撃でサムスンが底力発揮?

    (2012年8月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) アップルはこの8月、電話を「iPhone(アイフォーン)」に変えたのと同じくらい目覚ましいことを成し遂げた。サムスンを負け犬に変えてしまったのだ。 これは、そう簡単なことではない。22万人の従業員と83の事業部門を持つサムスンは実に驚くべきことに、韓国の輸出の5分の1を占めており、自国市場であまりにも圧倒的な存在感があるため、「攻撃的なタコ」と中傷されたこともある。 サムスンのことを――「真似っこ」ではあるが――勇気ある新興企業と見なすことは、「こんな大男には全く勝ち目がない」という理由で、人々にゴリアテを応援させるようなものだ。 ブランドが傷つくどころか最高のキャンペーンだった? 明らかに、一部の消費者の目には、同社がアップルの一部特許を侵害したというカリフォルニア州連邦地裁の明確な陪審評決によって、サムスンのブランドが傷ついたよ

  • 鍵をかけたかどうか記憶してくれる鍵:「第7回ジェームズ ダイソン アワード」から

  • Socius_社会学感覚20スティグマ論

    20 スティグマ論 20−1 社会的弱者を苦しめる社会心理現象 役割としての社会的弱者 この章では、権力作用の問題を〈医療と福祉の対象となる人びと〉を中心に考えてみよう。 このような人びとは、どのような役割を担っている人びとだろうか。たとえば、それは子ども・高齢者・病者・障害者・低所得者・失業者・公害被害者といった役割である。これらの役割におかれている人びとは一般に「社会的弱者」とよばれている。能力中心主義の近代産業社会にあって、社会的弱者はなんらかの不利益をこうむることが多かった。そこで現代社会では、さまざまな福祉サービスを保障することによって、実質的な平等への努力がなされつつある。 とはいうものの、社会的弱者は一般に暴力や犯罪の対象にされやすいし▼1、こと企業社会においては、あいも変わらず成年男子の健常者中心の組織文化が支配している▼2。 それでも、弱者への暴力や犯罪・酷使といった逆行

  • 「弱者」はなぜ救われないのか : 池田信夫 blog

    2012年08月30日19:50 カテゴリ 「弱者」はなぜ救われないのか 「弱者救済」を理由にした貸金業法の上限金利規制や総量規制によって消費者金融業は壊滅し、債務者は闇金に流れ、弱者はまったく救われなかった。書は、それを当事者(立法当時の自民党の金融調査会小委員長)が自己批判したものだ。現代ビジネスでも著者が「告白」しているが、率直にいって「今ごろ何いってるの」という印象だ。特に総量規制の弊害については、私を含めて多くの経済学者が法改正前から警告してきた。その予想どおりのことが起こっただけだ。 問題は、こんな当たり前のことがなぜ政治の世界では通らないのかということだ。著者があげている原因は、選挙とマスコミである。これも独創的な洞察とはいいがたいが、それを自覚しただけましだろう。批判する人々を「三流経済学者」などと罵倒した後藤田正純氏は、いまだに反省の色も見えない。 著者もいうように、

    「弱者」はなぜ救われないのか : 池田信夫 blog
  • 責任を取らないシャープ経営陣が再建策を出せるのか

    高橋洋一氏の論評「シャープ“惨状”を招いた日銀無策…超円高はなぜ起きたか」を読んだ。「円安に誘導するため日銀は一層金融緩和すべき」という論旨で納得し難いが、冒頭の電機大手への言及が気になった。 国内電機大手の2012年4~6月期決算では連結ベースで8社中5社が赤字となった。これだけ業界全体が不振となると、各社の個別事情ではなく、世界景気減速や円高傾向というマクロ経済の影響である。 電機大手不振の原因の一つはテレビが売れなくなったことだ。電子情報技術産業協会の統計によれば、薄型テレビの国内販売台数(2012年上半期)は数量ベースで前年比16.9パーセント。デジタル化特需が終わり、市場はたった1/6になった。輸出も3割減で、半期で合計3000億円ほど市場が縮小している。 需要の停滞を経営陣は見込んでいなかった。シャープの株主総会を伝える東洋経済を読めばわかる。「亀山、堺工場の投資を決定した際に

    責任を取らないシャープ経営陣が再建策を出せるのか