取材応募フォームから届いた、ある女性のメッセージです。親が精神疾患を持つとき、子どもはどんな生活をして、どんな困難を抱えているのでしょうか。 女性と待ち合わせたのは、山手線の駅近くにあるレトロな喫茶店でした。素朴な雰囲気の人で、話しやすく初めて会った気があまりしませんでした。 “生活”というものをもったことがない 石崎祐実さん(仮名)、32歳。5年ほど前にある資格を取り、専門職に就いています。 母親は、祐実さんのものごころがついた頃から統合失調症でした。統合失調症というのは、脳の働きのバランスが崩れ、妄想や幻聴などの症状が出る病気です。珍しいものではなく、100人に1人弱がかかるといわれ、日本にはいま約77万人の患者がいると推計されています(平成26年厚生労働省・患者調査)。 症状の度合いは人によって異なりますが、祐実さんの母親は重いほうでした。しかも、家族は母親と祐実さんのみ。父親は医者
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