以前読んだ『ルポ 高学歴発達障害』の中で、著者の熊代氏のインタビューが掲載されていた。 そこでは発達障害の人にとっては、昭和の暴力を含んだ身体的なコミュニケーションはわかりやすい部分があると指摘していた。 今の時代では許されないことだが、だからこそ生きづらい人がいるということが分かりやすいコメントだった。 そして、本書でも歴史的にも平和な今の時代は、家畜になれば生きやすいが、一方で生きづらい人が増えている事実を指摘。 能代氏は、その問題意識をあとがきでこうまとめている。 <「人間は文化によって進歩し、豊かな暮らしを実現させたが、ゆっくり進化してきた生物学的な自己家畜化をはるかに上回る文化のスピードに引きずられようとしている-それはどこまで恩恵で、どこから疎外か?」(略)人間の動物然とした性質を十分に顧慮しておらず、人間の動物らしい側面を疎外し、ついていけない人が増えている点では、現代社会は