読み応えがあって、ぐいぐい引き込まれ、考えさせられる本だった。 丹念な取材をもとに、『在特会』を丁寧に追ったルポ。まず、よくまあこういう人たちを1年半も追いかけたな、と。時に罵声を浴びながらも、感情的になることなく丁寧な取材を続けた安田浩一氏の辛抱強さには頭がさがる。安田氏は、単純に「知りたかっただけだ」と言う。「理解でも同情でもなく、ただ、在特会に吸い寄せられる者の姿を知りたかったのだ」と。 会員ひとりひとりや、関わってきた人たちへのインタビューから見えてくる在特会とは。 ※ちなみに以下の動画でも、在特会への取材をもとにした話が聞ける。本書と重なる部分も多く、だいたいのアウトラインは掴めると思う。 「ネット右翼」はどこにいる? ニコニコ生放送12月23日 在特会特集(動画) 01.在特会とは 正式名称「在日特権を許さない市民の会」。「在日特権」の廃止を主な目的とする右派系市民団体であり、