加齢などで周囲の音が聞き取りにくくなる難聴は認知症のリスク要因とされる。英国に住む約44万人のデータを中国・山東大などの国際研究チームが分析すると、難聴の症状があるのに補聴器を使っていなかった人は、耳が健康な人に比べて認知症を発症するリスクが大きく高まることが分かった。 一方で難聴の人が補聴器を使うと、健康な人と変わらない程度までリスクを減らせる可能性があることも示された。 「難聴は40代の早い時期に始まることが多いが、認知症は診断まで20年以上かけて少しずつ認知機能の低下が続く」とチームの研究者。「耳が聞こえにくくなったら早いうちに補聴器を使って対処することが重要だ」と指摘する。 チームは「UKバイオバンク」に登録された英国人のデータを利用。約44万人を40~69歳から平均12年間追跡し、難聴の症状や補聴器使用の有無と、認知症発症との関係を分析した。 すると難聴にもかかわらず補聴器を使わ