4月17日、『朝日新聞デジタル』は「両親の被曝の子への影響『一部で関係性』 放影研」という見出しで、原爆による放射線の影響を研究している日米合同の研究機関・放射線影響研究所(放影研)の研究結果を報じた。 SNSでこの記事は反響をよんだ。これまで放影研は、被曝2世は原爆の放射線の影響を受けていないと発表し続けてきたが、その定説が覆されたのか? と注目を集めたのだ。 筆者もこの記事の見出しに驚いたので、自分なりに調べてみた。結論を先に述べると、この記事は間違ってはいない。しかし、見出しはきわめてミスリーディングである。研究結果は、これまでの定説を覆すものではなかったからだ。 福島原発事故を受けて再分析 この研究は、放影研の山田美智子・臨床研究部放射線科長らが実施し、専門誌『アメリカ疫学雑誌』オンライン版に4月13日付で掲載された。読んでみると、今回の結果を理解するために重要な「文脈」がよくわか
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