「祖父の軍歴を知りたい」。先の大戦での日本海軍の軍人・軍属の人事記録「軍人履歴原表」を管理する厚生労働省に、そんな問い合わせが増えている。終戦から時間がたつにつれ減少傾向だったが、平成25年度は前年度比3割増になった。その背景には、海軍航空隊を描き映画化もされたベストセラー「永遠の0(ゼロ)」や、日本海軍などの軍艦を擬人化したゲームのヒットもあるようだ。(道丸摩耶) 岡山県に住む30代の女性は今年3月、海軍にいた祖父の軍歴の開示を厚労省に請求した。祖父は戦後間もなく死亡し、数年前に祖母も死去。祖父を知る人がいなくなる中、「祖父はどんな人だったのか知りたかった」と話す。 当時の軍艦を擬人化したゲーム「艦隊これくしょん(艦これ)」でさまざまな軍艦を知り、祖父が乗っていた船に興味もわいた。インターネットで、孫であれば人事記録を請求できることを知り、血縁を証明する書類などをそろえて厚労省に送った。