歴史ものの文庫や新書などでは「○○研究会」的な名称の著者の本が多々ある。実際のところのほとんどはフリーのライターや編集プロダクションであり、歴史研究者ではない。 『信長研究の最前線 ここまでわかった「革新者」の実像』(洋泉社・歴史新書Y)は「日本史史料研究会」編となっているが、この研究会はホンモノの研究者の集まりだ。 イメージかわるか歴史研究からみた信長像 同会は歴史史料を調査・研究し、その成果を公開する目的で2007年に設立した。(HP) 執筆者紹介によると、筆者は1960、70年代生まれで日本史研究では「若手」に入る総勢14人。代表者の生駒哲郎氏は1967年生まれで、立正大学博士後期課程を満期退学とあるが、同会代表以外の肩書はない。メンバーは肩書的には「大学教授」や「准教授」はおらず、いわゆるポスドクの研究者(非常勤講師や行政機関の職員など)が、おそらく手弁当で、研究を続けているのだろ