日本人の30%以上が罹患しているといわれるスギ花粉症。いまや国民病とも一部で呼ばれていますが、これまで、短期間で治す体質改善治療(免疫療法)はありませんでした。そこで、これまでになかった、カプセルを飲んで治す治療を新たに開発しました。これは、腸管免疫を利用した新しい免疫療法です。カプセルの中には、スギ抗原と多糖体の一種であるガラクトマンナンとの複合体が含有されており、これを花粉が飛散する前と飛散中の約2ヵ月の間毎日服用する方法です。近い将来、アレルギー体質を改善する新しい治療につながる可能性があります。 九州大学医学研究院耳鼻咽喉科学の中川尚志教授、九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 村上大輔助教、澤津橋基広講師らの研究グループは、2010年からこの新しい免疫療法の研究及び治験を行ってきました。その結果、安全性も確認され、鼻症状、目の症状を軽減するだけでなく、治療のための薬物を減らす効果が認