文字で残された書籍が残っている時代には,「やがて,この世の終わりが来る」といういわゆる終末思想が存在する.その多くは宗教的な色彩を伴っているが,時には社会全体を揺るがしたり,あるいは時の政治に組み込まれて多くの犠牲者を出すこともある. 地域的に認められる終末思想は多いが,世界的に,かつ長い間にわたって信じられてきた終末思想で,比較的,整った全体の思想のもとにあるものの一つが,ユダヤ教,もしくはキリスト教に見られる「裁きの日」である.他の宗教,たとえば仏教でも,個人の死に対して,地獄,極楽という概念があるが,人間世界全体が善悪やその他の基準で裁きを受ける「最後の日」という概念はキリスト教ほど明確ではない. これに対して,断片的,もしくは長い期間にわたって支持されたものではない終末思想があり,たとえば「ノストルダムスの預言」や,西暦1000年,西暦2000年といった切りの良い数字にこの世が週末