「脱退の申し出に『やむを得ない理由』がある場合は、脱退の意思表示で効力が生じる」――。県建設業厚生年金基金を相手取り、原村の建設会社が脱退の確認を求めた訴訟の24日の長野地裁判決。山本剛史裁判長は、条件付きながら「脱退の自由」を認める判断を示した。全国の厚生年金基金の実務運営への影響は必至とみられている。 訴訟では、任意脱退の自由の有無と、脱退の要件が争点となった。 会社側は、厚生年金保険法や同基金の規約には脱退を制限する規定はなく、代議員会の議決はなくても脱退できるとして「脱退の自由」を主張。基金側は国の厚生年金制度を代行する公的役割があり、脱退が相次ぐと存続できなくなるため、「脱退の自由」の制限は合理的かつ適法だと反論した。 判決は、脱退が規約の変更に当たるため、代議員会の議決は必要だとしながらも、「やむを得ない理由」がある場合は不要だと判断。さらに「任意脱退を常に制限する合理的理由は