【ローマ=石田博士】イタリア警察のマフィア対策班は3日、伊南部シチリア島の実業家で、マフィアとの関わりも指摘されてきたビト・ニカストリ容疑者(57)の資産13億ユーロ(約1560億円)を差し押さえたと発表した。マフィア捜査で一個人から差し押さえた額として過去最高額だという。 ANSA通信などが報じた。電気技師だったニカストリ氏は実業家に転身。風力発電や太陽光発電などを大々的に展開し、「再生可能エネルギーの帝王」と呼ばれていた。捜査当局は同氏の事業を通じて、政府や欧州連合(EU)の巨額の補助金が犯罪組織に流れたとみている。 同氏は昨年、贈賄容疑で逮捕され、シチリア西部アルカモで自宅軟禁を命じられている。