【西川迅】東京電力福島第一原発の岸壁近くの井戸から高濃度の放射性物質が検出された問題で、東電は24日、港湾内の海水でトリチウム(三重水素)の濃度が上昇傾向にあると発表した。汚染水が土中から海に漏れている可能性があるとみて詳しく調べる。 東電によると、濃度が上昇したのは1〜4号機取水口北側の港湾内。6月21日に採取した海水から、1リットルあたり1100ベクレルが検出された。10日の測定値500ベクレルに比べて倍増していた。 さらに、井戸に近い1、2号機の取水口付近でも、910ベクレルを検出。前回10日は600ベクレルだった。 港湾内の、これまでの測定値の最大は2011年10月の920ベクレルで、この1年間は100〜200ベクレル程度で推移していた。 トリチウムは水素の放射性同位体。天然にも存在するが、原子炉の冷却水で生じる。水とともに存在するため、放射性セシウムなどのように吸着させて