ただし、この交換はいつもスムーズにいくわけではない。相手が「コメは間に合ってるよ、何かほかにないの?」と受け取りを躊躇すれば、交換は成立しづらい。ここに、マネーをめぐる重要な論点がある。貨幣には、交換に際して「誰もが受け取ってくれる性質」があるのだ。経済学ではこの性質を「一般的受容性」と呼ぶ。「お金なら間に合ってるよ」と受け取りを拒む人はめったにいない。 マネーとダイバーシティの関係 奈良・平安時代はコメや綿布といったニーズの高い物品を交換手段として用いていてもあまり問題はなかったが、鎌倉時代になると、このやり方は行き詰まってしまった。その理由として、ビジネス面でダイバーシティが進んだことが挙げられる。 村落民は朝廷に嫌気が差し、しだいに地元の有力者を事実上のリーダーとして仰ぎつつ、このリーダーらは、有力貴族や大規模な寺院・神社とのコネクションを築き、村落民が朝廷への納税を避けて生活できる
![仮想通貨の疑問は「宋銭」を知れば腑に落ちる](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4bf5c0c454c4d83704a0ae611c260f60e78b7b41/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F6%2Fc%2F1200w%2Fimg_6c6a32a7cc5db4c30d5dc67287c3321c307801.jpg)