陰謀論と聞くと、それだけで冷笑する人が少なくありません。たしかに、陰謀論には荒唐無稽なものもあります。けれども、すべてを頭から「トンデモ」と決めつけるのも理性的な態度とはいえません。 ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺事件を巡る機密文書の一部が米国立公文書館のウェブサイトで公開され、話題となっています。 日経電子版が伝えるように、ケネディが米テキサス州ダラスでのパレード中に狙撃され、死亡したのは54年前の1963年11月。米政府の調査委員会(ウォーレン委員会)は元海兵隊員のリー・オズワルド容疑者(移送中に射殺)による単独犯行と断定しましたが、証拠は乏しく、外国政府や米情報機関が黒幕との陰謀論が今も絶えません。 暗殺の真相をめぐっては議論が百出し、謎解きに挑戦した本は数えきれないほどです。その中で興味深いのは、2014年に邦訳が出たジェイムズ・ダグラス『ジョン・F・ケネディはなぜ死んだのか』で