被害者が加害者になる「負の連鎖」を断つ 犯罪者は、言うまでもなく第一に「加害者」である。周囲に甚だしい迷惑をかけ、時には人命までも奪う。 だが、加害者の多くは「元被害者」でもある。親からの絶え間ない暴力や育児放棄、学校や児童養護施設での恐喝、暴行、傷害……。逃げ場のない被害者は孤立し、追い込まれ、その一部がやがて加害者となる。そしてまた、新たな被害や加害が繰り返されていく。 この深刻な負の連鎖と、これを断ち切ろうとする受刑者や支援者の姿を、坂上香監督の最新ドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』は克明に描き出す。 舞台は官民共同運営の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(島根県浜田市)。「回復共同体」(TC)と呼ばれる教育プログラムに参加した受刑者に密着し、彼らの劇的な変化をありのままに映し出していく。犯罪者といえども、人間を一面だけで判断してはいけないことを、この映画は教えてくれる
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