■自らを「イスラム国」と名乗る過激派組織が、 イラクとシリアで急速に勢力を拡大しています。 アメリカの2人のジャーナリストに続いて、イギリスの援助関係者も殺害され、 世界に強い衝撃と危機感を広げています。 アメリカのオバマ大統領は、 先週、「イスラム国」に対する新しい戦略を発表し、 これまでイラクに限定してきた空爆作戦を、シリアにも拡大するとともに、 国際的な包囲網をつくる考えを明らかにしました。 一方、イラクでは、宗派対立を悪化させたマリキ前首相に代わって、 アバディ首相の新しい連立政権が、ようやく発足しました。 「挙国一致」の体制で「イスラム国」の脅威と戦い、 イラクを分裂の危機から救うことはできるのかを考えます。 ■「イスラム国」は、スンニ派の過激派組織で、 欧米中心の世界秩序に挑戦し、イラクとシリアの国境を無視して、 支配地域を広げてきました。 異なる宗派
アメリカ軍普天間基地の移設先とされる沖縄県名護市辺野古沿岸部で埋め立て工事に向けた準備作業が本格的に始まってから、まもなく1か月になります。この間、移設に反対する人たちの抗議活動が継続する中、現場の作業は進み続けています。この問題について考えます。 抗議活動の根底にあるのは、国への不信感です。普天間基地は、住宅などが密集する宜野湾市の真ん中にあって世界一危険な基地とも言われています。1995年に起きたアメリカ海兵隊員による少女暴行事件をきっかけに基地の撤去を求める県内の声が高まり、翌年、日米両政府が返還で合意しました。いったん辺野古に代替施設を建設する計画が決まりましたが、その後の政権交代などによって県外移設、県内移設と結論が揺れ動いてきました。安全保障の問題は、国の専権事項とは言え、この間、地元は自治体・住民ともにいつも蚊帳の外に置かれた状態です。住民にしてみれば、もともと基地の撤去が目
「ここで本当に死んだと思ったんです」 「イメージは東日本壊滅ですよ」 これは福島第一原発事故の現場で指揮を執り、去年亡くなった吉田昌郎元所長が、2号機の危機に直面した時の様子を事故調査委員会に述べた証言。 政府は事故から3年半の11日、吉田元所長の証言記録を公開。 3基の原発が暴れるのを前に死も覚悟しながら対応する中、介入する官邸や本店への怒りをあらわにするなど、現場の最高責任者がどんな困難に直面していたのかわかり、今後の事故対応の教訓にする上で公開は意義がある。 今夜は吉田元所長の証言から得られる教訓をどういかすか、担当は水野倫之解説委員。 吉田元所長の記録は400ページ、今夜は元所長一人にあらゆる対応や判断が集中し、厳しい状況に置かれた点に注目。 事故当日1号機では、電源がなくても動き、最後の砦とも言える非常用の冷却装置・ICがほとんど動いていなかった。 吉田元所長がそのこ
消費税率が8%に上がって5カ月がたちました。増税直後、流通業界からは、「消費は、6月か7月ごろには、元の状態に戻る」という強気の見方が聞かれました。しかし、8月が終わった今になっても、消費の回復には、力強さが見られません。GDPの60%を占める個人消費の動向は、安倍総理大臣が消費税率を10%に引き上げるかどうかを判断する時の、大きな材料にもなります。消費の回復は、なぜ、もたついているのでしょうか。その背景には、家計をとりまくアベノミクスの構造的な問題があるようにも思えます。今夜は、この問題について考えてみたいと思います。 まず、消費の現状を見てみたいと思います。 ▼ こちらは、家庭の消費支出の推移です。物価の変動を除いた、実質の数字です。駆け込み需要で、3月に、大きく膨らんだあと、増税後の4月からマイナスが続いています。7月は、一年前と比べて、マイナス5.9%と、6月と比べても、落ち込
《山﨑》 広島市の大規模な土砂災害は発生から1週間が経ちました。これまでに71人の死亡が確認され、行方不明者は11人にのぼっています。警察と消防、それに自衛隊は今夜も夜を徹して捜索を続けることにしています。今晩は現地を取材した二宮委員とともに、時間を延長して、1週間経ってわかってきたことを整理しながら、土砂災害対策を考えます。 最近にない大災害 《山﨑》 今回の土砂災害は、1週間経っても被害の全容がわからない大災害です。一つの市町村を襲った大きな土砂災害には、去年、39人が犠牲になった伊豆大島などがありますが、今回の規模は、長崎市内だけで250人以上の人が亡くなった昭和57年の長崎豪雨以来ではないかと防災関係者はみています。 Q・二宮さん、捜索活動が難航していますが、現場の状況はどうなっているのですか? 《二宮》 私は発生当日から3日間、現場や避難所を取材してきました。流れ込ん
《前説》 広島市の住宅地を襲った土砂災害の被害が広がっています。これまでに39人が死亡し、7人が行方不明になっています。(ニュース映像)被害にあった地区の映像を見ますと、住宅地に向かって大量の土砂と水が流れ込み、多くの住宅が壊れたり、流されたりしている様子が見てとれます。 中には10軒近い住宅が流されてしまったところもあるということです。今晩は予定を変更して、広島市の大規模な土砂災害の被害状況をまとめながら、土砂災害の対策を考えます。 どうしてこんなに被害が大きくなったのでしょうか。大きな要因が3つあるように思います。 一つは記録的な雨が降ったことです。南からの湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になり、広島市では、一昨日(19日)の夜から雨が降り始めました。雨が激しさを増したのは昨日の深夜からでした。広島県が土砂災害が起きた場所に近い所に設置した雨量計では、一昨日の午後10時
アジア太平洋地域は、中国の台頭などによって安全保障環境に変化が起きています。 きのう(5日)公表された「防衛白書」は、「この地域の安全保障上の課題や不安定要因がより深刻化している」と強い懸念を示しました。政府は、日米同盟だけでなく、アメリカの同盟国であるオーストラリアとの協力を強化しようとしています。今夜の時論公論は、日・米・豪の関係を中心にアジア太平洋地域の安全保障面の課題について考えます。 アジア太平洋地域が重視される大きな理由は、中東からインド洋を経て南シナ海を通過するシーレーン=海上交通路の存在です。世界で海上輸送される原油のおよそ3分の2はこのルートで運ばれているとされ、この地域の安定は、世界経済にも大きな影響を与えます。しかし今、中国の軍事的台頭と海洋進出に加え、これまで圧倒的な力を誇ってきたアメリカの影響力の低下によって、情勢が不安定化する懸念が高まっているのです。 (中
マレーシア航空機の撃墜事件から2週間近くたったが、真相はいまだ明らかになっていない。事件は空の安全を大きく揺るがすものとなった。ICAO=国際民間航空機関は、7月29日、カナダにある本部で民間機の安全をどう守るか話し合う緊急会合を開いた。撃墜事件を“空の安全”という側面から見ていく。 7月17日、オランダのアムステルダムからマレーシアのクアラルンプールに向かっていた旅客機がウクライナ東部に墜落し、乗客乗員298人が亡くなった。現場は親ロシア派の武装集団が掌握する地域だった。 ウクライナと欧米は、親ロシア派が地対空ミサイルで撃墜したと非難。これに対し、親ロシア派とロシアは、ウクライナ軍が訓練中に誤射した可能性を指摘している。 最も多くの犠牲者が出たオランダが原因調査を主導することになったが、真相究明には様々な課題が横たわっている。そのひとつが「ブラックボックス」の限界だ。ブラックボックスと
今晩は。時論公論です。 今夜は、最近何かと物議を醸している地方議員と議会の問題を取り上げます。 ヤジや号泣は海外のメディアやインターネットで世界中に拡散しました。「なぜあんな人物が議員になったのか」「議員のレベルが低すぎる」そんな声が広がっています。 確かに個人の資質の問題もありますが、東京都議会では、他にもヤジを飛ばした議員がいると言われながら、いまだ議会としての決着はついていません。野々村元議員も、号泣のあげくに辞職しましたが、肝心の政務活動費の使途は不明のまま。議会は、真相解明はできず、捜査当局に委ねることになりました。 定員の4分の3が逮捕された青森県平川市議会は機能停止状態です。 地方議会は、地域の産業や暮らしに関わる問題で行政を監視し、自主的に政策を決める機関です。そのメンバーである地方議員は、国会議員よりも住民に密着した存在のはずです。その地方議員の相次ぐ不祥事で、こ
経営コンサルタント 太田光雄 7月20日夜、中国・上海のテレビ局が、食品加工会社「上海福喜食品」に潜入して隠し撮りした映像を放映し、この会社のずさんな製品加工の様子が明るみになりました。消費期限を大幅に超えた鶏肉、床に落ちた肉、青く変色した牛肉、素手で作業する従業員・・・、それは、まことに信じられない光景でした。上海市当局はこの工場に対し、操業停止を命じ、関係者が取り調べを受けていると報道されています。日本では、マクドナルドとファミリーマートが、この工場の製品を販売していたことが分かり、両者はその対応に追われました。「上海福喜食品」は、アメリカの大手食肉業者であるOSIグループの独資会社です。 中国からの輸入食品は、本当に大丈夫なのでしょうか? 残留農薬問題は、2002年8月に、輸出する野菜は、専用の農場で、管理された形で栽培する制度を作ったことで、基本的に解決されました。毒餃子事件と
東京大学大気海洋研究所教授 青山 潤 6月12日、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、ニホンウナギが絶滅危惧IB類に指定されました。これは危機の度合いに応じて3つに分かれる絶滅危惧種のうち2番目のランクにあたります。これまで世界で最も多くウナギを消費してきた我々日本人は、この事実を真摯に受け止め、今一度、足下を見直す必要があります。そこで今日は、改めてウナギの現状について確認し、その管理・保全について考えてみたいと思います。 現在、我々が食べているウナギは、すべてグアム島近くの海でふ化し、半年ほど海流に漂いながら、はるばる日本へやってきた正真正銘の「天然生まれ」です。人工的に卵をとって育てる技術こそ確立しましたが、商業規模での展開には、まだまだ多くの課題が残っています。このため、現在の養鰻業は、沿岸・河口域に辿り着いたシラスウナギと呼ばれる天然の稚魚を採集し、養殖池で育てること
『子どもクライシス』第1回「貧困・追いつめられる母子」で母子家庭の子どもたちの現状をお伝えしました。みなさん、どうご覧になりましたか? 今回、母子家庭の子どもたちにしぼって取材したのは、子どもがいる世帯の中で貧困のリスクが圧倒的に高いからです。 放送後、番組には『子どもたちに罪はない。なぜ親はもっとしっかりしないのか』という声も寄せられました。 番組でもご紹介したのですが、こちらのデータをご覧下さい。 シングルマザーの貧困 母子家庭の貧困率は5割を越え、就労による収入は平均181万円です。これは子どもがいる他の世帯に比べて400万円低く、その5割以上が非正規雇用。仕事を掛け持ちして暮らしている人も少なくありません。 本人の努力が足りない、そんなの自己責任だと言われる方もいるかもしれません。しかし次のデータをご覧下さい。 ひとり親世帯の貧困率・親が働いていない場合 これは母子世帯、父子世帯の
在日韓国・朝鮮人への民族差別をあおるヘイトスピーチについてです。京都の朝鮮学校がヘイトスピーチによる被害を訴えた裁判で、大阪高等裁判所は、街宣活動を行った団体に損害賠償などを命じました。ヘイトスピーチを直接規制する法律がない中で、私たち社会は差別的な言動にどう向き合えばいいのかを考えます。 そこでは、日の丸や旭日旗を掲げ、品位のない差別的な言葉で罵りながら、「日本から出ていけ」といった主張を繰り返しています。警察庁は、こうした団体を「極端な民族主義・排外主義的な主張に基づく右派系市民グループ」と位置づけています。 今回の裁判は、その中心的な団体である「在日特権を許さない市民の会」が、京都市の朝鮮学校に対して行った街宣活動をめぐるものです。メンバーらが学校の校門に押しかけ、拡声器を使って「犯罪者に教育された子ども」とか「朝鮮半島に帰れ」といった侮辱的な発言を繰り返しました。学校にいた子ど
未登録の場合は「登録」ボタンをクリックします。 登録したい都道府県を地図から選択します。 確認ボタンをクリックすると登録が完了します。 ※登録した都道府県を変更するには「変更」ボタンをクリックします。 下村文部科学大臣は、メルトダウンや水素爆発を起こしにくく安全性が高いとされる、「高温ガス炉」と呼ばれる新しいタイプの原子炉の研究施設を視察し、国として研究開発を促進する考えを示しました。 下村文部科学大臣は、7日、茨城県にある日本原子力研究開発機構の拠点施設を訪れ、研究用の「高温ガス炉」などを視察しました。 「高温ガス炉」は、炉心の冷却にヘリウムガスを使い、核燃料を耐熱性の高いセラミックスで覆う新しいタイプの原子炉で、炉心を水で冷却し、核燃料を金属で覆っている従来の「軽水炉」と比べて安全性が高いとされており、ことし4月に決定された国のエネルギー基本計画にも研究開発の推進が盛り込まれていま
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