軍事学が取り組む課題の一つに、ある条件の下で発生した戦闘の勝敗や損害を説明したり、事前に予測することがあります。地形や兵力等の諸条件からその戦闘の結果をうまく説明できれば、それは学術的に価値があるだけでなく、軍事教育の現場でも役に立ちますし、ある事態が生起した場合に国家として確保すべき兵力の規模やそれに見合った予算の規模を見積もることも理論的には可能となります。 今回は、軍事理論の中でも火力評点アプローチを応用し、第二次世界大戦のクルスクの戦い(battle of Kursk)の結果を説明できるかどうかを検討した研究を紹介したいと思います。 文献情報 Ramazan, Gozel. 2000. Fitting Firepower Score Models to the Battle of Kursk Data, Master's Thesis, Monterey: Naval Postgr