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ブックマーク / brevis.exblog.jp (13)

  • デュルケーム『自殺論』に学ぶ、人間集団に必要な二条件 | タイム・コンサルタントの日誌から

    PMOみたいな仕事をしていると、ときどき現場の実務者から頑強な抵抗に遭うことがある。PMOとはProject Management Officeの略で、組織の中にプロジェクト・マネジメントの仕組みや方法論、そして体制などを導入整備する仕事をする部署だ。いってみれば、プロジェクト遂行に関するカイゼンの専門家集団である。 PMOのメンバーは普通、自分自身ではプロジェクト遂行にタッチしない。あくまでプロマネ達に対して、助言や支援を行うだけだ。社内コンサルタントのようなものである。遂行に直接タッチしないのはなぜかというと、いったん実務作業を分担し始めると、結果に対する責任問題が生じるからである。プロジェクトの成果は、プロジェクト・マネージャーが全責任を負うのが原則だ。それなのに、第三者であるPMOが手を出してしまうと、責任の境界が曖昧になってしまうからだ。 ところがこのPMOという仕事、なかなか難

    デュルケーム『自殺論』に学ぶ、人間集団に必要な二条件 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2016/12/04
    社会的な凝集力が高く、価値観のベクトルが一方向にそろっているとき、自殺率は下がる。日本の自殺率が過去最低になったのは、1939年~46年、すなわち太平洋戦争のまっただ中
  • ハラールとは何か、何ではないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    結婚して間もない頃、米国の留学生寮に1年近くすんでいたことがある。主にアジア太平洋地域の各国から来た留学生や、米国の遠くの州から来た若者が一緒にすみ、キッチンは共同だった。独身者と、子どものいないカップルが10数組ずつ、キッチンをシェアする。お互い顔見知りになるから、ときどき招待し合って一緒に事したり、あるいは学期試験の終わったころにはキッチン全員が持ち寄りパーティを開いたりする。そういうときには、近くの同じスーパーから材を買ってきているはずなのに、ものすごくバラエティの大きな各国料理がそろい、楽しかった。 仲間の中には、パキスタンからきたイスラム教徒、インドやネパールのヒンズー教徒、タイやスリランカの上座部仏教徒もいる。だから、お互いの物のルールなどにも気を遣いながら、一緒につくったりべたりした。ヒンズー教徒の夫婦は厳格な菜主義で、鰹節のだし汁も使えない。だから昆布でだしを取っ

    ハラールとは何か、何ではないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2015/12/04
    「何が許されるか」よりも「何が許されないか」。禁止リスト方式/豚や犬、その肉や派生品はNajsである。人や動物の糞尿・嘔吐物などもNajsになる
  • 書評:「アラブの春」の正体 重信メイ・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「アラブの春」の正体 欧米とメディアに踊らされた民主化革命 (角川oneテーマ21) 重信メイ・著 (Amazon.com) 2010年12月初旬、わたしは『日アラブ経済フォーラム』に出席するため、北アフリカの地中海岸の都市、チュニスにいた。2年に一度開かれるそのフォーラムは、日とアラブ諸国が経済協力のあり方を話し合う場で、その時は日から外相・経産相をはじめ高級官僚、経団連の委員など、総勢200名以上の参加者があったはずだ。アラブ諸国からもそれ以上の参加者があった。 チュニジアの首都チュニスは、対岸のシチリアにも少し似て風光明媚な街であった。わたし達は、美しい景色やカルタゴの遺跡とともに、治安の良さとイスラム色の薄さにも驚いた。石油の出ないチュニジアは観光と製造業に力を入れており、欧米からの旅行客を呼び込むために、非常に努力してきたとのことだ。金曜日のモスク礼拝が信者の義務であるイス

    書評:「アラブの春」の正体 重信メイ・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2015/10/22
    中東およびアラブ諸国の現象が分かりにくいのは、元々は言語・宗教・風習を共有する一つの広大な地域だったところに、現代的な「主権国家」概念を無理に持ち込んで、国境線で分断したためである
  • 書評:「自分でできる夢分析」 江夏亮・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分でできる夢分析 江夏亮・著(Amazon Kindle版) ある朝、悪夢から目覚める。汗びっしょりで、恐怖に震えながら、「夢でよかった。これはただの夢なんだ。」と自分に言い聞かせつつ、いつもと同じ日常生活に戻っていく。数日間はそのことを覚えているが、いつしか忘れてしまう・・こんな体験を、誰もが持っているだろう。わたしもそうだった。このを読むまでは。 しかし、このを読んでからは、はっきりと変わった。何が? 怖い夢を見たら、目覚めてから、「自分の中で、何かが間違っているらしい。この夢は、そのことを警告している。」と思うようになったのだ。起きてすぐに、自分が直近にしてきた行動や決断や思考をふりかえってみて、何かが足りなかった、あるいは余計だったらしい、と疑ってみる。そして多くの場合は、自分の自信過剰や不明に思い当たり、軌道修正をすることで、未然に難を逃れる。そんな経験を、時々するようにな

    書評:「自分でできる夢分析」 江夏亮・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2015/06/12
    (日揮)ある朝、悪夢から目覚める。汗びっしょりで、恐怖に震えながら、「夢でよかった。これはただの夢なんだ。」と自分に言い聞かせつつ...
  • 書評: 「我が国文化と品質」 圓川隆夫・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    我が国文化と品質―精緻さにこだわる不確実性回避文化の功罪 (JSQC選書)(Amazon.com) 薄くて小さなだけれど、驚くほど内容がつまっている。著者は東工大教授で、日の経営工学会の重鎮だ。専門は生産管理、品質管理、そしてSCM。長年の卓越した功績で、2013年には紫綬褒章を受章されている。 書は日規格協会からでているJSQC選書の一冊である。この選書では、以前、飯塚悦功「Q‐Japan―よみがえれ、品質立国日 (JSQC選書)」を読み、そちらも非常に面白かった記憶がある。品質管理というと、どうしても工場の生産ラインにおける品質測定とか統計的管理ばかりを思い出しがちだし、また他方、ISO9000のQMSという文書手続き主義が連想されるケースも多いと思う。しかし現代の品質管理学は、むしろ設計段階における『前向き品質』をどう確保するか、という方向にむかっている。そこでキーになる概

    書評: 「我が国文化と品質」 圓川隆夫・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2014/12/20
    CS(顧客満足度)と企業業績、景気の関係/CSの国際比較で我が国は著しく低い、生活満足度・幸福感も低い。そのことの含意
  • ある経営者の命運に見る、石油資源の戦略性 | タイム・コンサルタントの日誌から

    1962年10月27日、シチリアのカターニャ空港から1機の双発ジェット機が飛び立った。乗っていたのは、操縦席のベルトゥッツィ機長、タイム・ライフ社ローマ支局長マックヘイル、そしてイタリア炭化水素公社(略称ENI)総裁のエンリコ・マッテイの3名だった。機はミラノの空港に向かって飛んでいた。午後6時45分には着陸態勢に入ったことを、リナーテ管制塔が確認している。だが、彼らがそこに着陸することはなかった。通信が5秒間ほど途絶えた後、機体は突然、空港から10数キロの湿地帯に墜落したからだ。乗っていた3名は全員死亡した。 ENI総裁エンリコ・マッテイは、立志伝中の人物だった(以下、この事件を詳細に調べたジャーナリスト、E・ビアージ著「新イタリア事情 上 (朝日選書 226)」にもとづいて書く)。ENIは石油精製、パイプライン、化学など80もの企業群を傘下に置く、イタリアの巨大国策企業である。マッテイ

    ある経営者の命運に見る、石油資源の戦略性 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    paravola 2014/11/17
    (下手に政府介入して「国益」を損ねる)わが 国では、探鉱・採掘は『リスクが大きい』『政府の支援が必要』と理解されている/『上流部門で儲ける』という世界の常識が通用しない
  • 石油・ガス業界のニュースから見えてくる、奇妙な国際関係のループ図 | タイム・コンサルタントの日誌から

    先月、ロシア中国がシベリア産天然ガスの大型商談で合意したのとほぼ同じ日に、ロイター発で中国の石油・ガス関係のもう一つのニュースがでた。それは最近、中国のイランからの原油輸入量が倍以上に急増した、という報道である。中国は一応、産油国であるが、とうてい最近の自国のエネルギー需要をまかなうことはできず、石油の輸入国でもある。それが、イランから沢山の原油を輸入することで、両国関係をさらに緊密化する傾向にある、という情報であった。 イランと中国といえば、ロシアと並び、米国の世界戦略を邪魔する仮想敵国であり、油断のならない相手である、というのが一般の感覚であろう。それが石油・ガス取引を軸に手をつなぎつつある、という印象をこのニュースは与える。 ところが、ちょっと調べてみると、ことはそれほど単純ではない。まず、中国はかなりいろいろな国から原油を買っている。これは輸入国にとっては、エネルギー安全保障の観

    石油・ガス業界のニュースから見えてくる、奇妙な国際関係のループ図 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    paravola 2014/06/02
    イランと中国、イランのパーレビ王朝とイギリス
  • 交渉学から見たロシア・天然ガス大型商談の実相 | タイム・コンサルタントの日誌から

    仮にあなたが、重要な商談で遠くに出張に行っているとしよう。相手は近ごろ羽振りの良い大企業で、タフな交渉相手だ。あなたは新商品を、この相手に売り込もうとしている。それも一度きりの注文ではない。3年にもわたって継続的に供給する、総額40億円以上の大型商談だ。 長引く不況で、自社の財務状況はピンチにあり、何としてもこの売り込みを成功させたい。それもできれば市場相場に近い価格で決めたいところだ。ただし、あなたの側には弱みが一つある。この新商品はまだ開発中で、早くても半年後でないと供給できないのだ。投資額もかかる。だから、キャッシュフローを考えれば、頭金を少しでももらえるとうれしい、と内心思っている。 さて、出張先で2日間、膝詰めの打合せをしたが、なかなか妥結に至らない。出張日程を延ばすことも難しい。しかし、とうとう帰る時刻の直前に、契約をまとめる事ができた。飛行機に乗り込む直前、あなたは社にメー

    交渉学から見たロシア・天然ガス大型商談の実相 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2014/05/25
    この商談は10年以上前から続けられてきが、ずっと折り合わなかった。主な意見の相違点は、無論、価格だ/テイク・オア・ペイ条項がある
  • お知らせとごあいさつ | タイム・コンサルタントの日誌から

    今回の事件に関し、何人かの方から心のこもったお見舞いの言葉を頂戴しました。お礼を申し上げます。 また、友人・親戚からは、お前は無事かと安否確認の問い合わせをうけました。わたし自身はずっと横浜にいて何事もありませんでしたが、ただ祈って待つ以外、何もできないことに耐えがたい思いでした。 アルジェリアの砂漠の地で、無念のうちになくなられた会社の先輩・同輩の方々に痛惜の念を表するとともに、ほかにもこの事件に巻き添えになり、罪もないのに命を落とされた大勢の方の、ご冥福を深くお祈りしいたます。 まことにやりきれない思いで、言葉もありません。 文章を書く気にもならず、ずっとこのサイトも更新せずにおりましたことをご了解下さい。 日揮株式会社 佐藤知一 (なお、来月8日に計画しておりました「プロジェクト&プログラム・アナリシス研究部会」ですが、好川哲人氏をお迎えして予定どおり開催するつもりです。案内は、こち

    お知らせとごあいさつ | タイム・コンサルタントの日誌から
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    paravola 2013/02/13
    日揮の社員の人のブログ
  • 技術者たちの沈黙 | タイム・コンサルタントの日誌から

    郷の喫茶店でのんびり珈琲を飲んでいたら、後ろの席の話し声がぼそぼそと聞こえてきた。去年の春、まだ毎日の予震におびえていた時期のことだ。その喫茶店も半地下の穴蔵のようになっていて、もし大きな揺れがきたらどう逃げるべきかと思いながら、低い天井を見上げていたら、声が耳に入ったのだ。話し声は、口調からいって年配の学者らしい。それも、遠くから来てひさしぶりにまみえた旧友同士という感じだ。近くの大学で、複数学会をまたいだシンポジウムがあって、その帰りだったらしい。 その人たちは、原発事故の危機対応について話しているようだった。理工系の学者なのだろう。「リスク・コミュニケーション」という言葉も聞こえた。これは分かったようでわからない用語なので、わたし自身はあまり好きではない。ともあれ、不安におびえる住民大衆に向けて、どう冷静に事象を伝えて余計な心配を取り除くか、といった文脈が議論のようだった。放射線量

    技術者たちの沈黙 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    paravola 2012/08/23
    「しかし、同じ学者同士でも文系相手だと話が通じないのに、どうして一般大衆相手には話が通じるはずと思えるのだろう? この奇妙な楽観主義はどこから来るのか」
  • 書評 「ダメな会社ほど社員をコキ使う」 宋文洲 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ダメな会社ほど社員をコキ使う(徳間書店・刊) 宋文洲氏は中国出身の元留学生で、今や著名な経営者である。構造解析ソフトを売るために創立した会社・ソフトブレーン(株)が、営業支援ソフトを主力商品に転じて以来、短い間に店頭公開から東証一部まで上場したことで、経営者としての才覚を、皆が知るところになった。 しかし宋さんは上場後数年を経ずして、そのソフトブレーン社の代表権を返上し、単なる顧問職に退いてしまった。「上場した会社は公器だ。いつまでも創業者兼経営者が牛耳っているべきではない」との信念からだ、という。たしかに、一般にワンマン組織は、その経営者個人の器を超えて大きくなることができない。だから、この出処進退の見事さはさすがだった。でも、たいていのワンマン経営者はそれができずに、老害や後継者問題で会社をぐちゃぐちゃにしてしまう。宋さんができた理由はなぜかというと、おそらく彼は何よりも、自分の信じる

    書評 「ダメな会社ほど社員をコキ使う」 宋文洲 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2010/03/04
    「情報」とは」「敵情報知」の略語
  • 書評 「旭山動物園の奇跡」 | タイム・コンサルタントの日誌から

    旭山動物園の奇跡 旭山動物園は、北海道旭川市にある動物園である。近年、急速に有名になり、首都圏からもツアーの目的地になっている。私も札幌から行って見たことがあるが、たしかに工夫があって、面白い。あまりお金はかけていないが、しかし動物をいかに興味深く見せるかについて、皆が知恵を出し合ってつくりあげた動物園という感じが受け取れる。 たとえば、ヒョウのようなネコ科の肉獣は、半夜行性のため昼間はほとんど寝ているだけのことが多い。そこで、檻の下から寝ている姿を見上げることができるケージを作って、普段は見られない角度から見せるように工夫している。有名なホッキョクグマのケージそのほか、『見せる化』の知恵と工夫が素晴らしいのである。 書は、この旭山動物園が、平凡な地方の小動物園からいかに変革を遂げて、今日の姿になったかをつづったドキュメンタリーである。とはいえ、その変革に至る道は平凡ではなかった。とく

    書評 「旭山動物園の奇跡」 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2010/01/31
    お金はかけていないが、しかし動物をいかに興味深く見せるかについて、皆が知恵を出し合ってつくりあげた動物園/『見せる化』の知恵と工夫が素晴らしい
  • 書評:「MBAが会社を滅ぼす」 H・ミンツバーグ著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「MBAが会社を滅ぼす」 --マネジャーの正しい育て方 ヘンリー・ミンツバーグ著 (日経BP社) カナダ・マギル大教授のミンツバーグは、経営学の大御所であるが、また異端の経営学者でもある。彼を有名にしたのは「マネージャーの仕事」という研究で、実際の企業の管理者のやっているワークは、経営学の教科書が想定していることと大幅に違っている、との事実を明らかにした。 その彼は、現代のMBAのあり方に疑問をもち、ビジネススクールで教えるのをやめ、この数年間は自らが中心になって「IMPM」という新しい企業マネージャー向けの教育カリキュラムを組織実践するようになった。書はその彼の考えを述べたもので、前半は現代のMBA批判、後半はIMPMの思想を書いている。全体として学術書の体裁をとっているが、後半は自分の発案であり客観的にかくのは難しい、と率直に認めている。 ただしその分、前半の現代MBA論は広範多岐に

    書評:「MBAが会社を滅ぼす」 H・ミンツバーグ著 | タイム・コンサルタントの日誌から
    paravola
    paravola 2010/01/31
    「マネジメントの成功は、アートとクラフトとサイエンスがそろったときに生まれる。アートは構想力、クラフトは職人的スキル、サイエンスは分析力のシンボルである」
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