移民取り締まりに抗議するデモ隊と睨み合う州兵(6月10日、ロサンゼルス) Maximilian Haupt/dpa via Reuters Connect <2010年に「ネイチャー誌」で2020年以降アメリカの政治不安が急激に高まると予測した歴史動態学者ターチンは、トランプは問題の原因ではなく「症状」だと言う> バラク・オバマ米大統領(当時)が1期目半ばだった15年前は、ソーシャルメディアが急速に広がり、世界金融危機から徐々に回復しつつある時期だった。当時、米コネチカット大学のある教授がこんな警告を発した――アメリカは今後10年間、政治的に不安定さを増す時期に突入するだろう。 当時はへそ曲がりの戯言に聞こえた。世界経済もアメリカの政治秩序も、冷戦後の楽観主義にしっかりと支えられているように思えた。保守派のポピュリスト運動「ティーパーティー」の台頭のように、わずかなひずみは見え始めていたが
