「破産会社」はほんとうに「優良会社」になったのか。首長としての実績を問う---橋下「大阪府改革」を検証する [取材・文:松本創] 11月27日の投開票に向け、白熱する大阪市長・府知事のダブル選挙。知事職を辞して、市長の座を目指す橋下徹が掲げる「大阪都構想」や教育基本条例案、さらには彼の独裁的手法の是非が争点となっている。しかし、その前に問うべきは首長としての手腕ではないだろうか。橋下は知事としてどんな実績を上げたのか。公開されているデータや記事から検証する。(文中敬称略) 2008年1月の府知事選に出馬した橋下徹が声高に訴えた公約の一つが財政改革だった。いわく、大阪府は「破産会社」である。新たな府債発行(借金)はしない。収入の範囲で予算を組み、借金を減らしていく---。選挙のキャッチフレーズ「子供が笑う」は、教育や子育て施策に力を入れるというだけではなく、次の世代へ負担を先送りしないという