通路の先から現れたのは、4体のゴブリンだった。 緑色の肌に、生まれたばかりの赤ちゃんのようなしわくちゃの顔は、はっきりと僕たちとは違う生態系の生物なのだとわからせるには充分だった。 身長は120センチほど。非力そうだが、その分身軽そうだった。 ゲームやマンガなどのフィクションではない、リアルな化け物。 モンスターという英語が、日本語で怪物という意味なのが、今はっきりとわかった。 正直に言おう、僕はめちゃくちゃビビっていた。 ゴブリン達は、その身に革の鎧を身にまとい、錆びた剣を手にしている。 それは、僕に剣の痛みを想像させるには充分過ぎ、僕は自分の足がカタカタと震えるのを止めることができなかった。 しかし、そんな僕の前を、クロウは何でもないかのように進んでいった。 その歩みは無造作で、まるで友人に歩み寄っていくような自然なもの。 クロウはどんどんゴブリンたちに近づいていき、やがてゴブリン達の