今年6月に音楽評論集『松尾潔のメロウな季節』を上梓した松尾潔氏を、3時間半に渡るロングインタビューで直撃した、栗原裕一郎氏による連載『栗原裕一郎の音楽本レビュー』の特別編。前編【松尾潔が明かす、R&Bの歴史を“メロウ”に語る理由「偶然見つけたその人の真実も尊重したい」】では音楽ライターとしてそのキャリアをスタートさせ、R&B界の大御所を次々と取材する一方、作詞家、作曲家、プロデューサーとして平井堅やCHEMISTRY、EXILE、JUJUなどを手がける同氏の書き手としてのキャリアを深堀りした。後編ではR&Bの歴史と美学、日本の歌謡曲への影響、さらに歌詞分析に偏重しがちな日本の音楽評論についてなど、刺激的な討論が繰り広げられた。(編集部) ――日本におけるR&Bの受容が本格的に始まったのって、1980年代後半からという理解でいいでしょうか。 松尾:もちろんそれ以前も好事家に支持されてはきまし
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