「ロシアを弱体化させることと、それを公言することは全く違う」と語る欧州外交官も JONATHAN ERNST-REUTERS <当初の慎重な支援を覆してロシアの軍事的衰退を公然と目指すアメリカ。その戦略は世界を「道連れ」にする恐れがある> ロシアのウクライナ侵攻を受けた、アメリカとNATOのウクライナ支援策が大きな転機を迎えている。 当初はロシアに対する経済制裁や、ウクライナ国内の防衛に必要な控えめな武器供与にとどまっていた支援が、ロシアの軍事力を直接弱体化させる支援へとシフトしつつあるのだ。 それはロシアのウラジーミル・プーチン大統領に降伏か、軍事攻勢のさらなる拡大かという選択を迫る恐れがあると、一部の専門家は危惧する。そしてプーチンが降伏するという選択肢が考えにくい以上、戦争はウクライナを超えた地域にまで広がる恐れがあると指摘する。 ジョー・バイデン米大統領は4月28日、ウクライナを軍