世界第2位の金保有国であるドイツが、米国のニューヨーク連邦準備銀行に預けてある1200トン以上の金を本国へ引き揚げることを検討している。現地の報道を受け、英テレグラフ紙などが伝えた。トランプ政権が打ち出す予測不能な政策を見て、「米国はもはや信頼できるパートナーではない」との意見がドイツの政界で強まっているという。 (志田富雄:経済コラムニスト) 私たちの大切な金をどこで保管するのか? ドイツがなぜ金をニューヨーク連銀に預けてあるのか、不思議に思う読者もいるだろう。 多くの中央銀行は準備資産として保有する金をすべて自国の金庫に保管しているわけではない。安全性や貴金属市場へのアクセスの良さなどを総合的に判断し、自国での保管だけでなく、英国のイングランド銀行やニューユーク連銀などに分散保管する中央銀行が多い。 長らく保管場所を公表していなかった日本銀行も2019年2月の衆議院財務金融委員会で、保
