42 (BOX2)家計の値上げに対する許容度 緩やかな物価上昇を安定して実現していくため には、人々がある程度の値上げを受け入れる環境 を整えることが重要である。家計の値上げに対す る許容度が低い状態では、 物価上昇率の高まりは、 生活防衛的な消費行動をもたらし、結果として景 気改善と物価上昇の好循環を妨げる可能性がある。 この点、生活意識に関するアンケート調査にお ける「物価上昇についての感想」を家計の値上げ 許容度を表す指標として捉えると、 2013 年の 「量 的・質的金融緩和」導入以降、それ以前と比べて 水準が切り上がっている (図表 B2-1) 。 もっとも、 2014 年後半から 2015 年にかけて許容度が低下 した局面がみられたほか、2017 年末にも幾分低 下するなど、これまでのところ、値上げに対する 許容度がはっきりと高まるには至っていない。 この背景をみるために、上記